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YouTubeの価値の再定義と動画コンテンツの行方

後輩のブログ、『雑記・オブ・チョイチョイ』の論考が素晴らしいです。特に動画コンテンツに関する部分。

多くの構造化された極めて信頼性の高い情報がありながら(例えばディスカバリー・チャンネルよりリアルな動物生態に関する情報源があるだろうか?)、それを素早く消費させるシステムが確立しておらず、1時間番組のどの部分が自分の知りたい部分の確信なのか全然分からない。とりあえず、早送りを駆使して30分ほどかけて1時間の番組を見ることになるだろう。10分で50個以上のエントリーをRSSリーダを使えばさばくことができるのに!!まぁ、そんなわけで、よく構造化された動画を検索可能な媒体に解体し、その上で再構築することはこれから3年くらいのスパンで大きなトピックになると思う。

実は僕はじっくり長編映画を観ることが少ない人間でして、その意味で多分に「インターネット的な人間」であるのかなとも思うのですが、映画の大きな特徴は「時間拘束」が発生するというところだと思います。無論、映画はその時間拘束こそが「世界」であり、限られた時間の中で凝縮されたエッセンスを楽しむものだと思うのですが、それよりは自分の時間軸で楽しめる読書やWEBブラウジングを選びがちなのです。

ここには時間軸を作品に支配される、という恐怖感の発生があるように思います。そして感情移入できるかどうかには「成功」と「失敗」があり、その結果のほどは、作品を最後まで鑑賞しなくてはわからない(勇気ある人は大きく舌打ちして映画館を出て行ってしまうのかも知れませんが)、ここに映像で情報を伝えることの難しさがあるのではないですかね。

映像は情報を経験的に体験的に学習させることができます。そういう意味でもリッチコンテンツという言葉は正解でしょう。また映像制作という作業の性質において、映像は須らく高いストーリー性を持っているというのもポイントです。

結論を言えば、DVDのチャプター機能のように、コンテンツを細分化し、そのコンテンツ内を検索可能なユーザフレンドリーなインターフェイスを用意しても、それはDVD的なナビゲーションの域を脱しないわけです。例えばNHKがドキュメンタリーの各チャプタにタグを埋め込み、それをNHKのサイト上でタグ検索可能にしても、それは従来の検索機能と大きく変わる画期的なサービスとは言えません。

既に多くのことが語られてきたYouTubeですが、今回のトピックにおいてその価値を再定義するならば、それは「とてつもない勢いで他人に見せる価値があると判断された動画の関連付けがユーザの手で進められている」ということであると思います。まさしく、Folksonomyです。

例えば、今まで特番を待つことでしか得られなかった三島由紀夫の映像へ、YouTubeで検索をかければ簡単に辿り着くことができる。YouTubeには動画を補完する、ないし動画間の関係性を補完する文字情報というのはないですが、例えばWikipediaとYouTubeを組み合わせて使えば、そこそこのクオリティのドキュメンタリーは即興で用意できてしまう。そういう凄さがあります。

YouTubeではまず「他人に見せる価値があると思われる映像」ということで一旦フィルタがかかり、更に「それに最もふさわしいと思われる属性情報」ということで更にフィルタがかかり、「その中でもユーザから人気を得た映像」というフィルタがかかります。制作者ではない、ユーザがYouTubeに映像をアップロードし他人がアップロードした映像を観るというアクションにより、実に大きなフィルタリングが行われ、余分な贅肉が削ぎ落とされたより有用な映像が、人々の前に用意されることになります。

海外のTV局はYouTubeへの動画提供を積極的に進めているそうです。YouTubeのプラットフォームとしての影響力を評価してのことは勿論ですが、もしかしたら、ユーザによって急速に体系化され関連付けられていく動画コンテンツ群に、マスメディアのソースが含まれないという状態への危機感ということがあったのかも知れません。

そしてそのことは、先述したNHKがNHKのサイトで行うより、YouTubeというオープンなプラットフォームで行われるべきことであるのは自明の理です。いくらマスメディアがマスとは言え、YouTubeは1日あたり1000万ユーザ以上のアクセスを誇る、マンモスメディアなわけですから。

短く区切られた動画コンテンツの意味性というものがYouTubeによって見出されました。世の動画コンテンツが制作者の意図通りに体系化されて共有される世界というのはなかなかに難しいと思います。しかしながら、ユーザの手にその役割が委ねられるのならば、それは近い将来更なる意味性を導き出すのではないでしょうか。何と言っても1日あたり1000万ユーザ以上ですからね。

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コメント

俺が考えていたことを、さらに一歩上でまとめられた感じです。短期的な価値を抽出することはフィルタリングかつユーザ主導の動画評価システムがとても効果的だと思います。ただ、過去の参照する価値が高いコンテンツの評価は自動的にしたいですね。動画は情報の出所がはっきりしてるので、その辺りの構造化はかなり簡単だと思うので。

なるほど、短期的か長期的かでも変わってくるわけだね。Google News Archive Searchの動画版みたいなことができるといいのかな。動画って実は実際あまり作ったことないのであれだけど、基本的にはチャプタ毎に制作者にメタデータを埋め込ませて構造化させるという感じ?FLASHコンテンツとか条件分岐で予めシーン毎にコンテンツが切り分けられているけれど、今後は動画コンテンツ制作自体のルールがそういう方向へシフトしていくということなのかね。

これはなかなか難しい問題だね。

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