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死後のコンテンツ

ブログが出てきて5年ほどでしょうか。CGMの隆盛によって様々な個人の情報がネットの世界に蓄積されています。日記、写真、映像、ブックマーク。。。その個人の歴史の語り部となるコンテンツが日々アップされていきます。しかし、個人が故人になった時、そのコンテンツはどうなるのでしょう。

例えばMixiのようにサービス内でスペースを間借りし、アカウントがMixi自体が閉鎖されない限り永続的に保管されていくようなサービスにおいては、死後もその人の日記やレビューは、友人知人によって参照することができます。

僕の場合、Web 2.0的なサービスを利用していることが多く、データは色々なところに散在しています。MovableType(日記)、Google Reader(RSS購読)、flickr(写真)、del.icio.us(ブックマーク)。MovableTypeは独自ドメインでホスティングされていますから、サーバ利用料を払わなければデータは消失してしまいます。

ただWeb 2.0的なサービスの多くはAPIが公開されていることです。ですから、それぞれでIDとPWを使い分けていても、そのユーザの情報を1か所に集める、自分史のためのマッシュアップサイトというのは技術的にも実現可能だと思います。例えば「100年データ保管ネット公開10万円パック」みたいなサービスがあれば、ニーズはあるのではないですかね。

データの保管にはコストがかかりますが、遺品を全て貸倉庫に保管して管理するよりは、随分安いはずです。そしてデータは、特にCGM的なコンテンツは実に雄弁です。その人と成りを後世に残し得る良い財産です。今はまだブログ歴5年程度の人が多いでしょうが、自分達がこのままブログの執筆をつづけていくと、60歳時でも実に40年分の自分史がアーカイブされることになります。

葬儀会社がこうしたホスティングサービスをやっても面白いでしょうし、生命保険会社のインセンティブとしてこういうサービスがあっても面白いかも知れません。

弊害もあります。死後ネット上に晒されているコンテンツが誹謗中傷の対象になった時。本人は既に故人となっているわけですから対策ができません。管理会社もさすがに一つ一つのコンテンツがどういう状況になっているかサポートしてくれるまでのことはないと思います。

技術の進歩は得てして弊害を生むものです。兵器が進歩すれば戦死者は増えますし、乗り物が進歩すれば事故死が増えます。ただそれらのことも、技術が円熟するにつれ、ピンポイントで攻撃できる精度の兵器が登場し、ほとんど事故の起きない乗り物が登場します。ネットも技術が円熟化するにつれ、より弊害の小さいサービスのスタイルというのが提案されてくるのかも知れません。

今まで後世に自分の言葉を残せるのは、極めて限られた一部の人たちだけの、ある種の特権でした。しかし、これからの時代は全ての人達の情報が記録され、後世に残され得る時代です。歴史学ということ自体が、時の権力者や有識者だけにフォーカスするのではなく、より時代の集合知を歴史の産物とみなし、フィールドワークの題材として個人の残したデータが活用される時代になるのかも知れません。

日本は火葬文化の国です。遺品も棺の中に入れ燃やします。そういう文化の国で「遺データ」を残すことが果たしてどれだけ受け入れられるのかわかりませんが、故人を偲ぶときの材料がより多くの人に提供し得るということは、インターネットの登場による大きな副産物ではないかと思うのです。

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