手法が先か、実行が先か?
僕が学生時代に思い悩んでいたテーマでもあります。大学で学ぶことは意義があること、経営理論やマーケティング理論や財務理論の先端手法を学べるということ、しかしながら、それはただ単に頭でっかちになるだけで、分析や批評は巧くなっても、それはナイター中継に野次飛ばしてる居酒屋のおっちゃんと実は大して変わらないのではないかと、そんなことを思ってました。
「手法が先か、実行が先か」これは大きなテーマです。最近の手法でプロトタイピングとか重要視されていますが、あれは試作であって実行ではないのではないかと思っています。たまたま、僕は「習うより慣れろ」的な環境で仕事に触れ、とにかくモノを実際に手を動かして作らないとプロジェクトに貢献できない=対価である報酬ももらえない、という働き方を学生時代にしていましたから、良かったと思うのですよね。
手法を学ぶということはある種「練習のための練習のいたちごっこ」のような気がします。本来的には試合のために練習があり、試合の反省を以って手法を再検討し、また練習をするのです。そういう意味で大学での勉強はずっと練習のための練習をさせられている感じがしました。例外的な授業もありましたけど、大事な時期の大半の時間を割いて、そういうことをするのは何か肌に合わないなという気がしていました。
仮に誰かの素晴らしい手法を学んで、ロジックを組み立てたとて、結局実際に実行しようとすれば色々な障害や障壁が目の前に現れにっちもさっちもいかなくなります。だから経験則が大事と言われるのだと思います。
もう一つ、実行をしないと、注意を受けません、叱られません、否定されません。手法の段階でのそれは、損害が出るわけではないですが、実行のフェイズにおいての不備は結果を伴いますから、少なくとも使役される立場にあれば、自分の欠点を指摘されます。けれども実は、実行において欠点を指摘されることは具体的であり現実的で、むしろ手法をあれこれこねくり回されるより、よっぽどストレートで学びが大きいと思うのですよね。
ラグビーを覚えさせる一番の方法は何かと言うと、グラウンドに立たせる、試合に出すというのが一番の近道なのです。ラグビーのルールがわからない人でも、ラグビーのルールが複雑なことはご存知かと思うのですが、実際に試合に出て、反則を取られ、迫り来る脅威に尻込みをし、恐怖に打ち勝ち前に出る、という中で学び得ることは何十回の練習に匹敵する効果があります。
いくらゲームプランを組み立てたところで、実際の実行には様々な不確定要素があり、思い通りにはなりません。なんせコンディションによっても相手によっても全く違う、想定不可能なのがゲームですから。ゲームプランが崩れても勝てるチームが本当に強いチームなわけで、自分の土俵でしか勝負できないチームは弱いチームだと思います。
ラグビーを例に挙げて話しましたが、ビジネスでも同じことが言えると思います。まず走らせてみる、そのことは非常に重要だと思います。
手法が先か、実行が先か、実は冒頭で言ったほど大きな問題ではないのですが、実行から紡ぎ出された手法こそオリジナルの手法であって、手法だけを積み上げたってそれは経験則とはなり得ず、オリジナルな手法とも成り得ないのだと思います。





コメント
実戦にて経験し、理論はあとから追求する。
失敗したくないという気持ちは誰しもあります。
しかし、失敗なくして成長無しです。失敗しても良いじゃないですか、そこから何か得られれば。
これが自分の幼少の頃からのやり方。何事もマニュアルから見て覚えると、マニュアルにばっかり頼ってしまい、本番では知識があるだけで役に立たない事になります。
実戦と書きましたが、漢字を間違えているわけではなく、何事も戦闘をするかのごとく真剣に取り込む事から実践ではなく実戦です。
投稿者: Steve | 2007年7月 6日 04:58
自己責任でやれば討ち死にしてもしょうがないよね。
ビジネスはある程度やり直しが効くし。
クライアントに損害を与えなければの話だが。
投稿者: 加藤康祐 | 2007年7月 6日 15:40