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誰にでもわかる言葉で考える

僕がWEBに学生時代に上げていた文章を読んでおられた方ならご存知かもしれませんが、僕は割と学生時代、吐き捨てるように文章を書き、自分の表現欲求を満たしていたところがあったと思います。先日「加藤も書く文章が大分丸くなった」と言われました。僕自身意図してそういう方向にシフトしてきた部分で、特にkosukekato.comでは気をつけている部分であります。

学生時代と今で大きく変わったのは、クライアントと直接お話をする機会が圧倒的に増えたということに尽きます。このことが非常に僕の書く文章、そして僕の思考回路そのものに影響を与えていると思います。

僕の仕事の分類を非常に平たく言うと、「客商売」「個人事業主」という括りができると思います。そして、客商売の個人事業主であるからこそ、平易に言葉を咀嚼して、どのような人にでも伝わるように表現しなくてはなりません。

話す相手に予備知識を要求するようなものの話し方は、「客商売」のやり方としては少々乱暴です。ましてや僕がサポートさせていただく、ブランディング、IT、WEB、デザインなどという領域は、多くのクライアントにとってまだまだ未踏の部分が多く、であるがゆえに専門用語を乱用することは、しばしば誤魔化しと受け取られかねません。

クライアントとコンサルティングという形でのお付き合いの仕方もしていますが、そういう立場でお話をする場合、わからないことはわかろうと努力される方が多いです。そういう方に新しい言葉を覚えていただくことも重要ですが、それよりもわかるようにご説明することの方が大事です。そのためには無闇にキーワードを羅列しない方が良いです。

こういうことは専門用語の羅列で思考を進めていると、意外とうまくいきません。しばしば専門用語で思考を処理することは、細かな観察を怠ることになり、自分では論理的に話を進めているようであっても、クライアントにとって理屈が繋がらない場合があります。

また僕の専門領域がクライアントにとって未踏領域であるように、クライアントの専門領域が僕にとって未踏領域であることがほとんどです。そういう時には「それは、これこれこういうことでしょうか?」というように、平易な言葉に置き換えて問い返し、確認し、共通理解を深めるわけです。クライアントが僕がわかるように説明してくれるのに、僕がクライアントにわかるように説明できないで、仕事として罷り通るという理屈はありません。

もっと言えば何を目的とするかということです。新しいキーワードを覚えてもらうことがゴールの場合もあるかも知れませんが、多くの場合の目的はむしろこちらが提示するストーリーに「納得」していただくことです。納得していただくにはまず理解していただかなくては始まりません。理解していただけばクライアントが新たに意見を提示してくれるかも知れませんし、論点が違うことを指摘してくれるかも知れません。理解できる話ができなければ、コミュニケーションはそこでストップしてしまいます。

賢くなるということは新しい言葉を多く覚えるということではありません。色々なことを知っていることは重要ですが、その色々なことの説明の術を知らなければ宝の持ち腐れです。丁寧に人と接するが重要だということ、それはおそらく人として至極当たり前の感覚ではないかと思います。

限られた人にしかわからない話より、誰にでもわかる話をすることの方が、コミュニケーションとしての難易度は高いのではないかと思います。そしてそのためには、日頃から誰にでもわかる言葉でものを考えるように訓練しなければなりません。難しいことを難しく言うことはその気になれば誰でもできることで、しかし、難しいことをわかりやすく言うことは、努力を怠ってできることではありません。

スマートに仕事したいとも思いますが、僕にとってプライオリティが高いのは丁寧に仕事することなのですよね。そのためにはわかりやすい言葉を最大限まで駆使できる、そんな力が必要です。

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