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WhatよりWhyだ

学生時代の自分を思い起こして反省するに、僕は平たく言うところの頭でっかちでした。何かアイデアをブラッシュアップする時に、そういうのは海外で既にこういうサービスがあるとか、そういうことは大手のこういうサービスが既に先鞭をつけているとか。知識を身につけることが無用だとは思いませんが、僕は知識を身につけることで肝心なことを見落としていた気がします。

「WhatよりWhyだ」ということはすなわち、「何をするか?」ではなく「何でするか?」ということです。「何をするか?」ということは枝葉末節で、物事の根本にあるのは「何でするか?」ということなのです。これはまさしく、「木を見て森を見ず」に他ならず、アシスタントだった学生時代はそれでも良かったのですが、独立して気が付いたのは、執着するべきポイントが違ったなと。

「何でするか?」ということは即ちビジネスにおける根源的な欲求であり、衝動であり、基点となるべきことです。逆に「何をするか?」ということは時代性や環境によっていかようにも変化していいわけです。

学生時代は事前リサーチみたいなことに多くの時間を割きました。ユーザ統計やら競合分析やら市場調査やら。そういうことに今ほとんど時間を割きません。それよりもまず、手をつけるべきものがあり、それをないがしろにしてユーザ統計やら競合分析やら市場調査やらに踊らされると、本質的な問題を見逃してしまうと考えるようになったからです。

ブランディングなんて仕事をしていると尚更です。本来的にWhy無くしてWhatを形作ることなどできません。むしろブランディングというものに出会って、「何をするか?」ではなく「何でするか?」ということに力点をシフトできたのかも知れません。

Whatの視点で観察すると、事例を並べることしかできません。そのビジネスの本質を見極めるためには、Whyの視点で観察しなくてはなりません。それで初めて物事を論理的に分解し再構築できるようになるのだと思います。それが即ちデザインということです。「de+sign」=分解して判り易いサインに組み替えることがデザインですから、「何を」より「何で」に注視しなくてはなりません。

「ビジネスアイデアを出してくれ」と言われて頭を悩ませる人の多くは、Whatから考えてしまうからだと思います。Whyを基点に考えれば、Whatは表現手段に過ぎませんから、いかようにもなるはずなのです。

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