あなたは何を売るか
藤沢久美の社長Talk というポッドキャストにTOA株式会社の吉川隆典氏が出演した回が非常に面白かったです。TOAという会社は、業務用の音響機器、放送設備を販売している会社で、日本の全ての飛行場には全てTOAの製品が納入されているそうです。
インタビューの中で、駅の駅員さんの話を例に挙げておられ、「駅員さんはマイクロフォンやアンプやスピーカーを求めているわけではない、駅員さんが求めているのは確実で円滑なコミュニケーションの手段である」というようなことを言っておられました。藤沢久美の社長Talkには「機器ではなく「音」を売る、世界トップ企業」という題字が踊っており、これはしかし非常に重要な考え方だなあと思いました。
これは任天堂のゲーム機にも通じる哲学かも知れません。価格競争やスペック競争ではなく、「誰」に「何」を「どのように」提供することに価値があるのかというのを、ユーザ目線、顧客目線で考えていて、「世界初」なんてものは机の上で考えても出てくるものではなく、具体的にクライアントが直面している問題を解決するためにじっくり向き合った結果でしかない、という言葉には非常に含蓄がありました。
このTOAという会社はB2Bビジネスのブランディングの考え方として素晴らしいと思いましたし、僕の仕事のロールモデルとも成り得るなと思いました。クリエイティブの世界には「客の御用聞きになってはいけない」みたいな不文律があるのですが、技術の世界でTOAのような会社があるのは素晴らしいことだと思いました。
モノ作りの基点は「問題発見」だと思うのですが、御用聞きやってないと気付けないことって絶対あると思うのです。WEBの世界だって昔みたいにクライアントは何も知らない、という時代ではないですから、何が肝要なのかということは一人で机の上で考えても出てこないはずなのです。
その上で何を売るのか、そういう視点が大事なんですね。WEBとかCMSとかFLASHとか言うことでなくて、最終的に自分が顧客に売るものは何なのか、そういう発想は客商売をやっているとは言え、いやむしろそうであるがゆえに、TOAのような専業メーカーに学ぶところは大きいように思います。
顧客満足度、とはまた違う視点です。




