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視界を狭め、世界を広げる

最近、エントリーモデルとは言え、EOS Kiss X2というCanon製のデジタル一眼レフカメラを購入し、写真を撮るということの楽しさを再認識しているこの頃です。ファインダーを通して見つめる小世界というのは、実に情感豊かで、視界は肉眼と比べ狭くなっているのに、そこから広がる世界というのは、肉眼で観察するよりかえって新鮮で、興味深く、趣があります。だから写真家の人というのは、しばしば哲学者なのかも知れません。

以前、恩田陸氏の作品を引き合いに出して、「箱庭的世界への憧憬」という記事を書きました。恩田陸氏の作品は小説、ファンタジー、ミステリーなわけですが、写真という表現手法においても、同じことが起きているような気がします。

そう言えば、先だってプロカメラマンとお仕事でご一緒した時に、食事をしながら「僕って作り話が好きなんですよね」という話をしました。何かこう作り話をしたくなるような作品て言うのは、確かに自分の中に材料が吸収され、消化し、自分もそれを栄養源として何か創作がしたくなる、そんなもののように思います。カメラマンの方も「その風体でメルヘンか!」という突っ込みはしてましたが、一方でモノ作りに携わる人間が作り話が好きだと言っているのは、なかなか面白い話だというようなことをおっしゃっていました。

「Think Global, Act Local」という言葉がありますね。ある種、反目する2つの視点を、上手に平衡感覚を保ちながら実践するためのアクションプランであるとも言えると思うですが、写真の世界でもこういうことが起きているのではないでしょうか。

時間を切り取るとか、風景を切り取るとか、表情を切り取るとかいうだけではなく、ファインダー越しに見る世界というのは、その人の観察眼を研ぎ澄ましてくれるというか、4次元じゃないけれども、実世界で有り得ないもう一つの小世界への橋渡しであるようにも思います。自分の触角がひゅるんと伸びて、何かこうもう一つの、茂木健一郎氏風な言葉を勝手に作ると、脳世界みたいなところに旅に出ているような感覚を覚えます。

何か写真って哲学ですね。まだペーペーもいいところですが、長く付き合える趣味になりそうです。

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