仕事は問題解決である、という原理原則
鎌倉でお世話になっているエンジニア(と言うにはあまりにも色々なことをやっておられるのだけれども)の方に、以前ちょっと開発の仕事が頓挫していて弱音を吐いたことがあるのですが、その時いただいたサジェスションが「仕事は問題解決である」ということです。その方も自分の仕事の先輩から、若い頃にそういう示唆を受けたのだそうです。
きっと世の中に無から有を作り出す仕事なぞほとんどなくて、ましてや客商売となったらほとんどは今ある問題を解決するための何かがサービスなのであって、そういう意味で「仕事は問題解決である」というのは、色々な商売に綺麗に当てはまることではないかと思います。
暑い夏の盛りに扇風機売るのも問題解決だし、排ガス規制が厳しい欧州にエコカー売るのも問題解決だし、ちょっと生活に彩が欲しい人に絵画を売るのも問題解決だし。であるが故に、デザインの仕事も問題解決でなくてはいけない、と思うのです。
けれども意外と、例えば非常に近しい仕事でシステム開発のような業務ほど、デザイナーが問題解決の意識を持ち得ているのか、というのは疑問があるところです。クリエイティブに何をするのかと言えば、それはやっぱり問題解決であるべきなんだ、と僕は思います。
そういう意味でブランディングというアプローチは、クリエイティブの仕事に問題解決という視点をより強く植え付けるために、一つの有効な手段であるということが言えるかも知れません。単発のプロモーションよりも、よりクライアントとの本質的な問題意識の共有が必然的に必要になってくるからです。
付き合いを長く続けると言うことは、即ち付き合っている期間で派生してくる諸所の問題を、一つ一つ解決していくという作業だと思います。考えれば、人付き合いだって進路相談があって、就職相談があって、恋愛相談があって、人生相談があって、それって全て問題解決と言えそうです。人が付き合うところには、多かれ少なかれ「問題解決」という目的意識が働くのではないですかね。
僕の仕事はそうやって問題解決をして対価をいただく仕事です。勿論、自分の能力の範疇を飛び越えた問題は解決できないこともありますし、軽々にクライアントの問題意識を煽って無理に仕事を取るというのも間違いです。ただ、根本にそういう意識が制作者側にないと、クライアントも何のためにお金を払うのかわからなくなり、トラブルが生まれるのではないですかね。
どうやら「問題解決」というのはビジネス書における重要キーワードのようでして、書店の自己啓発コーナーみたいなところに行くと、「問題解決」という言葉を冠された書籍が多く並んでいます。割と色々難しいことが書いてあるようです。
ただそんな難しいことは考えないで、「仕事は問題解決である」という原理原則を気構えとして持っておいて、日々の仕事に臨むというのは、至極当たり前のことですが、結構大事なことなのではないかと思います。




