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Don't Be Evil

「Don't Be Evil」、すなわち「邪悪になるな」というのがGoogleのモットーだそうです。当たり前のことのようで、しかしGoogleのユニークネスを際立たせている一言だと思うのですが、僕にとっては非常に腑に落ちる言葉で、それはこれまで幾人もの人に言われてきたことの延長線上に「Don't Be Evil」という言葉もあったからなのだと思います。

宮本武蔵は皆さんご存知でしょう。歴史に名を馳せる怪人で、吉川英治氏が小説化し、井上雄彦氏が漫画化した、言わば剣豪という偶像の代表例が、宮本武蔵ではないかと思います。僕の師匠は変わった人で、よく古典を引用に僕に諫言してくれたのですが、よく引き合いに出されていたなあと記憶しているのが、『聖書』と「シェイクスピア」と『五輪書』でした(という取り合わせがかなりユニークですよね)。

宮本武蔵は「負ける可能性がある相手とは決して戦わなかった」、とされていますが、これは解釈を変えれば「戦わなければ負けない」わけで、孫子は「戦わずして勝つ」とも言っています。必ずしも「戦うことが是」ではないのです。学生時代、死ぬほど忙しかったですが、興味は会社を大きくすることではなくて、仕事を練磨することに(それはもう徹底的に)向いていた感じで、あんまりギラギラしない今のワークスタイルに繋がっているような気もします。

祖父は80歳過ぎまで仕事をしていました。今でも家には電話、FAX、来客耐えないらしいですが、営業としてかなり辣腕を奮っていたらしく、僕はそれこういう仕事をしていますので、祖父とは業界が違い、祖父からしてみればよくわからんなあという部分が多いのですが、ことに客商売という部分、営業ということに関しては色々話を聞かせてくれます。

繰り返し言われるのが「敵を作るな、人に好かれろ、喧嘩をするな」ということです。何か至極当たり前のことですよね。でもこれ多分非常に営業の仕事に肝心なことで、幼い頃から見ていた祖父はまさしくそういう人で、切った貼ったは当然仕事している限りあるわけだけれど、今も顔が広くて慕われているというのは、とどのつまりそういうところによるんだろうと思います。

以前BrandYou.jpに「人は城、人は石垣、人は堀、情は味方、仇は敵也」という記事を書きました。特に「情は味方、仇は敵也」というところがこの話には肝心で、勝ち負けではなく、そもそも「戦わない」「戦わなくて良い」状態を作ること、そのことこそが最強ということではないかと結論付けました。

挑戦とか競争とか開拓は勿論大事です。フロンティアスピリッツなくして、仕事なぞ楽しめないと思います。ただことに人を相手にするのがビジネスですから、人付き合いには繊細な神経を働かせないといけないと思います。その上でできる限り「敵を作るな、人に好かれろ、喧嘩をするな」というのは守らないといけないと思っています。

ビジネスだから割り切りが大事だという意見も大いにわかる話ではあるのですが、一方で人付き合いということで考えると、言わば「人付き合いの債務」みたいなものが割り切ることでどんどん溜まっていって、債務超過を起こすと切れる仁義も切れなくなると思います。これは困ります。

「Don't Be Evil」を社訓にするというのは、間違った争いをしないための知恵なのではないかと捉えています。

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