僕の企画書 構成編
Posted on | 2009/6/29 17:16:50
Facebookに後輩から「完成したら教えて」とコメントが入っておりまして、ああ風呂敷広げちゃったから一応完成させないといけないのだな、ということに気付きました。自業自得。というわけで、今回は「パワーポイントで~5つのコツ」から「できる!企画書講座」というどこかで見たような強気なタイトルに改題して(あまりに胡散臭いので僕の企画書というタイトルにしました)、構成編をお送りいたします。
1.与件を確認する
与件を確認するっていう言い方は非常に広義なのですが、まずこの企画書はそもそもどういう目的において書かれたものなのか、ということを明文化することが企画書の第一歩です。ただ与件の確認と言っても、クライアントからヒアリングしたことを箇条書きにするだけでは不足だと思います。
「与件の確認」とは、とどのつまり、「与えられた条件を確認する」ということですね。じゃあ条件とは何ぞやと。当然プロジェクトによってまちまちではあるのですが、例えばクライアントが遂行しているビジネスの理解、ということであったり、クライアントを取り巻く環境、ということであったり、クライアントのビジネスに対する問題意識の共有化ということであったりします。
ここでの目的は「いかにきちんとクライアントのことを理解しているか」ということを、クライアントの目の前で証明することにあります。ソリューションビジネスの企画書として話をしていますが、社内の事業企画も基本的には同様ではないですかね。
何かこう統計資料が何ページも続くようなものは僕はあまり好みません。そういうものはむしろ具体的な施策と一緒に引用されるべきで、不可欠なものは導入でも使っていいと思いますが、最初に数字だけ並べられても、何の話がしたいのかよくわからないよ、ってことにもなりかねませんので注意は必要です。ページ数を稼げるから、みたいな理由であちこちから参照しようとするのはやめましょう。
2.キャッチコピーをつける
僕は企画書を書く時に、その企画にキャッチコピーをつけます。でそれの説明とご挨拶文を与件の確認とそれ以降の論理の展開の間に入れる感じです。目的は企画書の趣旨、方向性、どういう風に話を進めていきたいか、言わば物語の大きな流れを提示するための道具であると言えます。
これもプロジェクトによって、クライアントによって、テイストもニュアンスもまちまちです。例えば「知性の萌芽」とか、「The Smart Hub」とか、「ホスピタリティ」とか、キャッチコピーを振った企画書が手元にあります。斬新さは勿論大事なのですが、最終消費者まで届ける目的のキャッチコピーではなく、最終的に企画の哲学になるかどうかもわからないもので、あえて言うなれば、企画書で話す相手に刺さる言葉、であれば古めかしい言葉でも、ありきたりな言葉でもいいと思います。むしろ誰しにも、という言葉より、あなただけにこの言葉は意味を為しますよね、というチョイスの方が良いです。
3.要件を定義する
要件定義っていうと、システム開発の仕事っぽいですが、僕はデザインの仕事でもこういうことを言いますし、その他の企画仕事でもできる限り、構想段階で、この要件を定義することを丁寧に行うことに重きをおきます。
こういう目的を達成するためには、どういう要件をクリアしなくてはならないのか。そういうことを整理してあげないと、企画のコスト感とかスケール感とかが見えてきません。漠然とこんなことやりたいんですと語るよりは、これをクリアするためにこれをし、それをクリアするためにこれをし、ということを積み上げていった先に目的を達成できるという、坂道ではなく階段にすることで、要件をブレイクダウンして考えてもらえるようになると思います。
4.フェイズを切る
詳細なスケジュールは具体的に企画が動き出さないと決まらないケースが多いですし、動き出す前に作ったスケジュールは往々にして「絵に描いた餅」になるケースが多いです。ですから、企画段階では全体の企画遂行をできるだけロードマップ化し、フェイズごとにストーリーを分節化してあげることで、企画のストーリーと時間の経過を符合させることが大事になってきます。
フェイズを切るという作業は次項のタスクを切り分ける、とも密接に関係して来ますが、新規企画はゼロから積み上げていくもので、土台を固めて基礎工事をして内装工事をして、みたいな徐々に築き上げられていく感じ、その進行イメージというものをクライアントと共有することは不可欠です。そのために本来の目的に辿り着くまでに、どの段階でどの程度、ということを線引きしてやるのが、フェイズを切るという作業です。
5.タスクを切り分ける
この企画書の企画がやりたいので、100万円ください、後は全部やります、という話もあると思うのですが、大体、企画書を作る人が企画を一人ですべて遂行していくということは難しいと思います。むしろ提案しても自分たちだけではできないことも多い。
ですから、どういう協力がクライアントから必要なのか、プロジェクトのタスクを企画段階で切り分けておくことが大事です。後から「それはそちらでやってくれないの?」ということもあるでしょうし、そもそも企画書自体が賛助してもらうための「お願い」なので企画書でクライアントに対して、「どれくらいの規模の、どれくらいのコストの、どれくらいのウエイトの」お願いなのかということを可視化してあげるのが、企画書の重要な役割の一つだと思います。
今回も普段から企画書書いている人なら当たり前に感じることかも知れませんが、あえて文章にしてみたら、なかなかこれはこれで面白いのかも知れないなと思いました。テクニック的な話をすると、結局は中身でしょ、ってことにはなるのですが、機会損失を減らしたり、品質劣化を防ぐ目的では、やはりテクニックもおざなりにしてはいけないことだと僕は思っています。
実際には企画書って日々書いて、クライアントの前に晒して、聞き手の反応を見ながら、自分なりのやり方をブラッシュアップしていくものだと思います。ただ、今何となくもう少し整理して話を組み立てたいと思ったら、ちょっと上記のようなことを気にして書いてみてはいかがでしょうか。


意外と知らない、「ヒトリシゴト」。案外、愉快で、楽しいです。気軽に読める、ビジネスエッセイ。

プランナー、加藤康祐のブログ、kosukekato.com : the idea espressoに掲載したコラム、2006/7/20「歴史は作られている」から2010/5/23「行為が流通するプラットフォームに新しい時代を感じる」を一冊の本にしました。

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