『「ソーシャルラーニング」入門 ソーシャルメディアがもたらす人と組織の知識革命』
Posted on | 2012/1/15 8:27:39
献本いただきました。ありがとうございます!
日経BP社
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ソーシャルということを、マーケティングや広告の文脈だけで捉えるのには限界がある、という話は結構それらの畑の方からも聞く話で、むしろ人の営みとそれに伴うコミュニケーションがソーシャル化されていくという時に、本書では「学び」に関して扱われていて、ソーシャルということを紐解くにあたっても大変示唆的な滑り出しです。ただ、「入門」という言葉でカジュアルに読み始めると結構火傷するかも。それくらい触れられている内容は濃いですし、読み進めながらそこで行われているのが何かということを具体性を持ってイメージするのが、実は結構ハードルが高いことのような気がしていて、事例は抱負で面白いんだけれども、日々の自分の経験値を大事にしながら、言葉を追ってく必要があるかと思います。
個人的には「仕事は学びであり、学びが仕事するのだ」というフレーズが大変気に入りました。ここでは学びという行為が擬人化されているわけですが、本当にそうで、というのも自分を含む所属や肩書きみたいなものより、むしろ学びの経験、経緯そのものが自分が仕事をしていく上でのアイデンティティになると同時にスペックというかおしながきにもなってくるわけで、それがコミュニケーションやコラボレーションを通じて、ソーシャルグラフだったり知識グラフだったりにぶら下がってくるわけですね。第五章の「国家インテリジェンスに学ぶ集合知の育て方」とか面白くて、ただの分業では、集合知は育たないし、分断された状態では、知は大して役に立たないんだけど、それがポリシーに則って適切に機能すると大きな力になる。「社内の組織構造でやりたいことがやりたいように機能しない」みたいな話を抜本的にかっ飛ばす可能性があります。
ソーシャルラーニング、これは結構大事な一歩だと思っていて、何かの代替として理解されてきたソーシャルメディアが、いやもっと人の行為そのものを変革する可能性があるんだよ、という部分に大きく切り込んでくるポイントなんではないかと思います。「学び」という行為は人間に取って普遍的な行為であることは間違いないので、教育に携わっている人はもとより、どんなことを生業にしている人にとっても「学び」のある一冊だと思いますし、自分がどういうことをできるか試してみたくなる後押しにもなる一冊だと思います。


意外と知らない、「ヒトリシゴト」。案外、愉快で、楽しいです。気軽に読める、ビジネスエッセイ。

プランナー、加藤康祐のブログ、kosukekato.com : the idea espressoに掲載したコラム、2006/7/20「歴史は作られている」から2010/5/23「行為が流通するプラットフォームに新しい時代を感じる」を一冊の本にしました。

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