『それからはスープのことばかり考えて暮らした』 吉田篤弘

Posted on | 2010/2/28 1:43:50 | Comments

それからはスープのことばかり考えて暮らした (中公文庫)
吉田 篤弘
中央公論新社
売り上げランキング: 4831
おすすめ度の平均: 5.0

5 ショーペンハウアー流の「ヤマアラシのジレンマ」
5 おいしいは大切
5 おもしろかった

心の芯から温まるスープのような小説です、と書いてしまうとそれ以上書くことがありません。素晴らしい作品。劇的な物語性もなく、独特な世界観もない。強いて言えば、空気感の妙。それだけで読ませる著者には羨望の眼差しを向けざるを得ません。読むと良いです、損はしません。

『ワイド版 風の谷のナウシカ7巻セット「トルメキア戦役バージョン」』 宮崎駿

Posted on | 2010/2/27 13:34:10 | Comments

ワイド版 風の谷のナウシカ7巻セット「トルメキア戦役バージョン」
宮崎 駿
徳間書店
売り上げランキング: 1
おすすめ度の平均: 5.0

5 アニメの宮崎さんしか知らない人へ
5 四の五の言わずに・・・・
5 深い物語
3 評価は5か0か
5 哲学、思想家そして人間としての宮崎駿

なんかAmazonのランキングを久し振りに覗いておりましたら、堂々の第1位にナウシカが輝いていたので、ノリで買ってみました。アニメは観ましたが、そんなに熱心な宮崎駿ファンでもないので、これまでに幾度か読んでみようとは思ったものの、なかなか買うまでにいたらなかったのですよね。昨晩一気読みしましたが、面白かった。少女と母性みたいなのが頭の中でこねくり回されて、なんかスゴイ。うーん、スゴイ。

『日本人の美意識』 Donald Keene

Posted on | 2010/2/22 22:25:18 | Comments

日本人の美意識 (中公文庫)
ドナルド キーン
中央公論新社
売り上げランキング: 157145

白洲正子さんから続く文脈で読んでみたのですが、ちょっと日本文化褒め殺しみたいになってまして 笑。そこまで褒めんでもいいだろうみたいな。でもシリコンバレー的オプティミズムをジャパノロジーに持ち込むとこんなんなったりするのかなあとかとも思ったり。ただ、著者が日本文化に大変造詣が深いことは容易に想像できるし、解釈の面白みみたいなものもあるので、読書としては楽しめました。

『本の歴史』 Bruno Blasselle 荒俣宏

Posted on | 2010/2/5 12:53:54 | Comments

本の歴史 (「知の再発見」双書)
ブリュノ ブラセル 荒俣 宏
創元社
売り上げランキング: 104473
おすすめ度の平均: 4.5

5 写本、インキュナブラから現代の印刷まで。
4 印刷の歴史
5 「グーテンベルク」 を語ることの難しさ
4 本の歴史

最近、電子書籍が、と言っている癖に、そもそもの本のことをおまえはわかっているのか?と思い、本屋で手に取ってみました。収録されている図版がとても美しい!グーテンベルク以降ではなく、古代の話から始まっているのも、良いですね。読んでて思ったのは、『本の歴史』ってのは「コンテンツ流通の歴史」だなということ。そこに、政治や宗教や経済や哲学の思惑が絡んでくる。だから、Amazonの台頭とか、電子書籍とかもむしろ必然だと思わされます。「やっぱり紙の本っていいよね」という感傷的になるかと思いきや、むしろ「本の歴史」を止めてはいけないと感じました。「本の歴史」とは技術と文化の変革の歴史なのであります。

kosukekato.com本が買えるようになりました!

Posted on | 2010/2/4 18:53:51 | Comments

ブログ出版局さんからのメールで、自分が過去に製本した本の販売ができるようになったことを知りました。kosukekato.com本というのは僕がこれまでにkosukekato.comで執筆したColumn – Opinionの項をまとめたものです。

「kosukekato.com : the idea espresso.」(232ページ)
「歴史は作られている」(2006/7/20)~「あなたは何を売るか」(2008/2/4)を収録
基本料金:3,346 円(送料込)

「kosukekato.com : the idea espresso. Vol.2」(158ページ)
「自分の成長と収入の増加に相関はない」(2008/2/29)~「デザイナーじゃない人がデザインする時に気を付けたいこと」(2009/6/9)を収録
基本料金:2,754 円(送料込)

僕もたまに本で読み返すんですが、時系列でまとまった分量を読んでいくと、色々結びついてそれはそれで面白いですよ。自画自賛してもあれなのですが、途中からkosukekato.comを知った方などには、ゆっくりバックナンバーも読んでいただきたいですね。

興味がある方は是非!

追記:
印刷・製本の代行を他の方も自由に頼めるようになったということですから、これで僕の懐が温まるわけではないです。

『折り返し点―1997~2008』 宮崎駿

Posted on | 2010/1/20 9:25:47 | Comments

折り返し点―1997~2008
折り返し点―1997~2008
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宮崎 駿
岩波書店
売り上げランキング: 18885
おすすめ度の平均: 4.5

4 マイスター・アニメーターはケヤキに憧れる
5 宮崎駿の知性に驚嘆。巨匠の思索を味わおう
5 虐殺されたモーツァルト、決して癒されない傷口
5 『崖の上のポニョ』を批判する評論家はバカである
4 予言してるみたい

最近、『鈴木敏夫のジブリ汗まみれ』というのを聴き出しまして、積ん読状態になっていた、宮崎駿氏のこの著作を読んでみました。著作と言っても書下ろしというわけではなく、インタビューや講演や、企画書や設定などをまとめたものです。僕はジブリ作品、実はそこまでの愛好家ではないのですが、一作品一回ずつしか観てないような、僕のような人間でも興味深く読める作品です。こっちもお薦め。

出発点―1979~1996
出発点―1979~1996
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宮崎 駿
スタジオジブリ
売り上げランキング: 6670
おすすめ度の平均: 4.0

4 アニメの面白さと奥深さ・・・
5 作品の背景が見れる
5 知らなかった宮崎駿
3 難しく考えない。
4 創造の苦悩

個人的にはチラホラ司馬遼太郎氏が引き合いに出るのも嬉しいところ。

『イノセント・ゲリラの祝祭』 海堂尊

Posted on | 2010/1/14 17:40:09 | Comments

イノセント・ゲリラの祝祭 (上) (宝島社文庫 C か 1-7)
海堂 尊
宝島社
売り上げランキング: 33
おすすめ度の平均: 3.5

3 小説を逸脱している…
4 「死因不明社会」の小説版

大変面白い!「明らかな著者の主張が全面に押し出された、けれどもエンターテインメント小説」という意味で、新しさすら感じました。小説だからって奥ゆかしく表現しなきゃいけないわけではないんですよね。むしろ、世界観だけでなく、主張にまで強烈に著者の個性が反映されているというのは、ある意味、爽やか。あなたはそのために書いてるんですね、というとてもストレートなコミュニケーションです。わかりにくい時代に、わかりやすさを上手にパッケージした力作だと思いました。

『いまなぜ青山二郎なのか』 白洲正子

Posted on | 2010/1/2 8:40:48 | Comments

いまなぜ青山二郎なのか (新潮文庫)
白洲 正子
新潮社
売り上げランキング: 138702
おすすめ度の平均: 3.5

3 なぜいま白洲正子なのか
3 いまなぜ青山二郎なのか、が残った
3 骨董
1 醜悪の極み
3 「オレは日本文化を生きている!」と豪語する美のオタク

青山二郎という人のことは、この本を読んでもなかなかつかめないんだけれども、師弟関係的なことを色々考えさせられる本でした。

2010年に読みたい本

Posted on | 2010/1/1 0:49:39 | Comments

あけましておめでとうございます。本年も宜しくお願い致します。謹賀新年のエントリは実は11月くらいに仕込んでいたので、新年の初エントリという感じがいたしません。というわけで、新年企画で今年読みたい本を挙げてみたいと思います。

『夜と霧』 Viktor Emil Frankl

夜と霧 新版
夜と霧 新版
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ヴィクトール・E・フランクル
みすず書房
売り上げランキング: 1622
おすすめ度の平均: 4.5

5 とにかく読んでほしい本
4 読むだけで人生観激変
5 新訳で本作品はさらに価値を高めた。
5 希望的
5 腹を括って、どっこい生きてやら〜

カヤックの柳澤さんの『アイデアは考えるな』で取り上げられていた本です。

名著の新訳には、つねに大きな期待と幾分かの不安がつきまとう。訳者や版元の重圧も察するにあまりあるが、その緊張感と真摯さのためか、多くの場合成功を収めているように思われる。本書もまた、その列に加わるものであろう。ユダヤ人精神分析学者がみずからのナチス強制収容所体験をつづった本書は、わが国でも1956年の初版以来、すでに古典として読みつがれている。著者は悪名高いアウシュビッツとその支所に収容されるが、想像も及ばぬ苛酷な環境を生き抜き、ついに解放される。家族は収容所で命を落とし、たった1人残されての生還だったという。このような経験は、残念ながらあの時代と地域ではけっして珍しいものではない。収容所の体験記も、大戦後には数多く発表されている。その中にあって、なぜ本書が半世紀以上を経て、なお生命を保っているのだろうか。今回はじめて手にした読者は、深い詠嘆とともにその理由を感得するはずである。著者は学者らしい観察眼で、極限におかれた人々の心理状態を分析する。なぜ監督官たちは人間を虫けらのように扱って平気でいられるのか、被収容者たちはどうやって精神の平衡を保ち、または崩壊させてゆくのか。こうした問いを突きつめてゆくうち、著者の思索は人間存在そのものにまで及ぶ。というよりも、むしろ人間を解き明かすために収容所という舞台を借りているとさえ思えるほど、その洞察は深遠にして哲学的である。「生きることからなにを期待するかではなく、……生きることがわたしたちからなにを期待しているかが問題」というような忘れがたい一節が、新しくみずみずしい日本語となって、随所に光をおびている。本書の読後感は一手記のそれではなく、すぐれた文学や哲学書のものであろう。今回の底本には、旧版に比べてさまざまな変更点や相違が見られるという。それには1人の哲学者と彼を取り巻く世界の変化が反映されている。一度、双方を読み比べてみることをすすめたい。それだけの価値ある書物である。

『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』 村上春樹

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)
村上 春樹
新潮社
売り上げランキング: 2647
おすすめ度の平均: 4.5

5 「可能性の世界」について
4 読ませる
5 村上ファンから最も支持されている作品
4 春樹嫌いでも
1 弱々しい物語

『ノルウェイの森』がTran Anh Hung監督で映画化されると聞き、村上春樹氏全盛期(というと、失礼なのかも知れないけど)の作品を読み直したいなあと思い、やっぱり僕がもう一度読みたいのは一番好きなこの作品。小説における「世界」とは何ぞやということを高校時代に強烈に植え付けられた本。

高い壁に囲まれ、外界との接触がまるでない街で、そこに住む一角獣たちの頭骨から夢を読んで暮らす〈僕〉の物語、〔世界の終り〕。老科学者により意識の核に或る思考回路を組み込まれた〈私〉が、その回路に隠された秘密を巡って活躍する〔ハードボイルド・ワンダーランド〕。静寂な幻想世界と波瀾万丈の冒険活劇の二つの物語が同時進行して織りなす、村上春樹の不思議の国。

『随筆 泥仏堂日録』 川喜田半泥子

随筆 泥仏堂日録 (講談社文芸文庫)
川喜田 半泥子
講談社
売り上げランキング: 142243

友人のデザイナーに陶芸の話をしてみたら薦められた川喜田半泥子氏。「東の魯山人、西の半泥子」の西の方ですね。僕の好きそうな匂いがプンプンします。

東の魯山人、西の半泥子」と並び称された一流の風流人―川喜田半泥子。伊勢の豪商の家に生まれ、銀行頭取、地方議員などの要職をこなしつつ、書画、茶の湯、写真、俳句と、その多芸ぶりを発揮。とりわけ陶芸では破格の才を示し、自由奔放ななかにも雅趣に富む造形世界を創造、「昭和の光悦」と声価を高める。数寄の作陶家・半泥子の陶芸論を中心とした、遊び心溢れる、貴重な随筆集。

『逝きし世の面影』 渡辺京二

逝きし世の面影 (平凡社ライブラリー)
渡辺 京二
平凡社
売り上げランキング: 840
おすすめ度の平均: 4.5

1 現代最大の悪書 
5 昔の日本は現代に通ずる
5 未来に開かれた著書
3 仰々しい帯ですが中味は外国人の目でみたDiscover Japan
5 これからの未来は過去から学ぶ

岡倉天心の『茶の本』を読んで、ますます日本文化を考える系のことに興味が尽きないのですが、次に読みたいのがこれ。懐古趣味にならないように読みたい。

「私にとって重要なのは在りし日のこの国の文明が、人間の生存をできうる限り気持のよいものにしようとする合意とそれにもとづく工夫によって成り立っていたという事実だ」近代に物された、異邦人によるあまたの文献を渉猟し、それからの日本が失ってきたものの意味を根底から問うた大冊。1999年度和辻哲郎文化賞受賞。

『アーサー王物語』

アーサー王物語〈1〉
アーサー王物語〈1〉
posted with amazlet at 10.01.01
トマス マロリー
筑摩書房
売り上げランキング: 48294
おすすめ度の平均: 3.0

2 アーサー王物語1,2
5 リアリティあるファンタジー
4 とうとう通して読める
3 ビアズリーで買い、でしょうかね
2 古典なんですね

まだどの出版社のものを読むか決めかねているのですが、『巌窟王』『三銃士』に続き、何となくあらすじ覚えているけど、読み返してみたい、昔親しんだ物語シリーズ。

魔剣エクスカリバー、円卓の騎士、魔術師マーリン、騎士ラーンスロットの冒険、トリストラムとイソルテの悲恋、聖杯探求…。あらゆる英雄譚、恋愛譚、奇蹟譚の伝承が詰まったファンタジーの宝庫―「アーサー王伝説」。本シリーズは、1485年刊行の原典・キャクストン版を、全訳し紹介する、本邦初の完訳版。「1」は、原書全21巻のうち1巻から6巻までを収録。

『FREE』 Chris Anderson

フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略
クリス・アンダーソン
日本放送出版協会
売り上げランキング: 1
おすすめ度の平均: 4.5

5 仕事観をゆさぶられます
4 気づかずともフリーのビジネスモデルに組み込まれている
5 「自明である」と切り捨てられない良書
5 「古くて新しいビジネスモデル」 これまであるようで無かった本
4 とりあえず読んでも損は無し

ビジネス書でこれは読んでおきたいというのは珍しいのですが、年末話題になったこれ、まだ読めていません。読みたい。

なぜ、一番人気のあるコンテンツを有料にしてはいけないのか?なぜ、ビット経済では95パーセントをタダにしてもビジネスが可能なのか?あなたがどの業界にいようとも、“無料”との競争が待っている。それは可能性の問題ではなく、時間の問題だ。そのときあなたは、創造的にも破壊的にもなり得るこのフリーという過激な価格を味方につけることができるだろうか。

『青山二郎全文集』 青山二郎

青山二郎全文集〈上〉 (ちくま学芸文庫)
青山 二郎
筑摩書房
売り上げランキング: 63689
おすすめ度の平均: 5.0

5 青山二郎とは何者か
5 よくできた人間
5 お買い得

白洲正子さん言うところの「じいちゃん」。青山学院的なことって最近興味があって、ともすればノマドワークスタイルみたいなことと繋がる文脈はないかと思い、ご本人の文章読みたいなあと。

青山二郎は、小林秀雄、白洲正子の骨董の師匠としてだけでなく、河上徹太郎、中村光夫、宇野千代といった周囲の人たちにも大きな影響を与えた。その青山の信仰とは、知識に依らず、眼を頭から切り離して、純粋に眼に映ったものだけを信じるという「眼の哲学」であった。やきものから学んだ眼力によって、骨董はもちろん、人間の真贋から社会批評まで、ズバリとその本質を言い当てる。青山の文章は、独特な比喩とともに難解なところもあるが、知識ばかりが横溢する現在、もっとも辛辣な文明批評となっている。上巻は、「梅原龍三郎」「北大路魯山人」「小林秀雄と三十年」「贋物と真物について」など、美術と人物に関する文章43篇を収録。

相変わらずぐちゃぐちゃですが、今年も読みますよー。

『軍艦島―眠りのなかの覚醒』 雑賀雄二

Posted on | 2009/12/16 13:20:01 | Comments

軍艦島―眠りのなかの覚醒
雑賀 雄二
淡交社
売り上げランキング: 125507
おすすめ度の平均: 4.5

5 存在そのものが貴重な島
5 すごい。
5 閉山10年後、おすすめ
4 モノクローム
3 「軍艦島写真集」としては、3000円はほんのちょっとだけ高いかも・・・

ちょっとしたブームの軍艦島ですが、この写真集スゴイ。人の営みの痕跡が、静かにしかし強烈に描き出されていて、時間は止まっているだろうに、その画を見ていると何だかハラハラするというか。先日、SFCで知り合ったカメラマンの方に教えてもらったのですが、これは面白いです。お薦め。

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